「大学生のうちに遊んでおきなさい。」
「イヤです。一生遊びます。」
「新卒のチャンスは一度きりだから、とりあえず就職しなさい」
「イヤです。起業します。」
僕はろくに就活もせずに起業したんですけど、起業するか就職するかで悩んだ時期がありました。
大学を卒業したら安定を取って就職する、レールに乗った人生。少しでも条件のいい会社に就職するために、受験勉強を乗り越え必死で勉強を積み重ねてきました。
もし、就職しないとしたら何のために勉強してきたのか。
今までやってきたことを無駄にしていいのか。
新卒ほどの好条件で就職できるチャンスなんてこれっきりだぞ。
起業なんていつでもできる。今しかできないことをやったほうがいいんじゃないか。
今しかできないことを全力でやりなさい、それがあなたのためになるからと、よく言われます。
本当にそうなのでしょうか?
悩んだ末、僕は今しかできない就活を捨てました。だけど人生が終わるどころか、小学生の頃以上の自由を味わっています。朝は目覚ましをセットせずに朝日で自然と目覚め、気が向いたらブログを更新し、眠くなったら寝る。
今しかできないことを無視して、僕はいつでもできる起業を選びました。そのおかげで今があります。
人生は一度きりだからこそ、正しい選択をしたい。間違った道を選んで後悔したくない。誰もがそう思います。
だけど、正解か不正解かどうやって判断するのでしょう?
僕は自分がその選択に満足していれば、正解だと思います。結果はどうであれ。困難な壁が立ちはだかっても、過去の選択を後悔せずに前を向けるかどうか。すごく主観的ですが、これが一番うまくいきます。
だから、数年前までは自分の選択を後悔していたけど、今思えば正しい選択だったなんてこともあるわけです。
タイムセールで試着したらいい感じだったから買ったけど、家で着てみたらなんか違う。失敗したと思いながら、せっかくだからとその服で出かけたら、意外と評判がよかったと。
これはもう買ってよかったとなりますよね。逆に評判も悪かった場合、タイムセールであのときしか買えなかったから正解だったとはなりません。安かったからいっかと言い訳するので精いっぱいです。
選択が正しいかどうかに、「今しかできない」は悲しいまでに無力です。
今しかできないことは、だいたい他人に与えられた選択肢です。本当の意味で今しかできないことは多くありません。
タイムセールなんて100%店の都合です。それに、タイムセールをしなければならない合理的な理由はありません。お客を焦らせて正常な判断力を奪うことが、タイムセールの唯一の理由です。
人生一番の大勝負と言える就活ですが、就職なんかいつでもできます。
スマホで求人広告を見つけてエントリーするだけですからね。ネットさえつながっていれば一瞬で何百件も見つかるでしょう。条件を緩くすれば15分ほどの作業です。今日中にエントリーしないと家族を殺すと言われても、大して焦らないでしょう。
だけど、就活は一生に一度の特別なイベントになりました。新卒を特別扱いし、ビジネスに利用する大企業によって。採用開始のタイミングには政府も口を出してきます。振り回される企業や就活生はたまったもんじゃありません。
おまけに新卒のチャンスを逃せば人生の失敗という風潮まで現れ。就活に失敗して自ら命を絶つ人も後を絶えない。
いつでもできる就職が、大学を卒業した「今しかできないこと」になってしまっている。
本当は今しかできないのではなく、今しかできなく見えるように設計されているだけです。社会によって、失業率を下げて国内外にアピールしたい日本によって。
卒業後の進路は就職だけではありません。もう一度別の大学に入りなおしてもいいですし、海外に留学するのもありです。家がお金持ちなら両親に甘えてニートになることも可能です。僕みたいに起業することもできます。勉強、留学、ニート、起業、就職、選択肢はいくらでもあります。
でも実際は、就職が唯一の選択肢になってしまっています。学生が検討するのはどの企業を受けるかだけ。就職以外の選択肢は1ミリも頭にありません。社会がそうしろと叫ぶから。
日本がサラリーマン育成に力を入れるのは当たり前です。国民に平和で安定した生活を提供するのが国の役目だから。必死に勉強しても将来が保証されていないなら、誰も勉強なんてしません。勉強で競争に勝てば、そのまま人生の競争にも勝てるから勉強します。
学歴が収入に無関係だと思われた瞬間、学生は勉強しなくなり、日本の技術力は世界に遅れをとり、あっという間に堕落します。円の価値は暴落し、貴重な資源は海外に安く買いたたかれ、食料品は高騰し庶民の生活は苦しくなり、一気に貧困国に。それはなんとしても避けなくてはいけない。
口では子供たちに夢を持てと言いながら、作っている仕組みの出口はサラリーマンに直結している。
そんな矛盾も、ある意味でしかたのないことなのです。
だけど、それはあなたの人生とは関係ありません。大事なのはあなた自身がどう生きたいかです。
他人に与えられた選択肢から選んで、望んだ人生になるでしょうか?
それはもうあなたが望んだ人生ではなくて、他者があなたに望んだ人生です。
誤解してほしくないのですが、僕は就職を否定しているわけではありません。僕はただ知ってほしいだけです。手段を知らないばかりに他人に提示された選択肢を選ぶしかない人に。
人生はもっともっと自由に自分らしく生きていいんだよと。
今しかできないことは本当にあなたが望んだ選択肢ですか?誰かに目に押し付けられてそう見えるだけではないですか?
目をこすってみてください。その目で10年後、20年後どんな人生を歩んでいたいか見てください。
今しかできないことはそこにつながっていますか?
それでは、この辺で!
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